手作りごはんがコミュ二ケーションを加速 オフィス支援のサービスが次々登場

 
企業のランチ会をサポートするオフィスKitchHike。現在3つのコースから選ぶことができる

 NHKの「サラメシ」という番組をご覧になったことはあるだろうか。「ランチをのぞけば、人生が見えてくる」をキャッチフレーズに、全国各地の昼ご飯を紹介する番組である。その中に様々なオフィスのランチを紹介するコーナーがあって、人気を呼んでいる。

 会社で食べる昼ご飯といえば、社員食堂や外食、弁当、店屋物など様々な方法があるが、最近は、あえて手作りのランチを囲む企業が増えている。社員が同じものを食べることでコミュニケーションを深めることができ、親密度も増す。それが業務へも良い影響を与えるというのだ。

 そんなオフィスのランチを支援するサービスも次々と登場している。「オフィスKitchHike(キッチハイク)」はその一つ。料理人がオフィスへ出向き、その場で料理を作ってくれるサービスだ。

 現在、3つのコースが用意されている。「コミュニケーションランチ」はワンプレートメニューで、1人1300円から。終業後の懇親会には「夜のごはん会コース」、こちらは大皿料理を各自取り分けて食べるスタイルで、1人2500円から。そして、自由に注文できるオーダーメイドコース。料理人はプロ、アマを問わず、料理が好きで得意な人が大勢登録をしている。

 5月に始まったばかりのサービスだが、いま続々と注文が入っているという。例えば、フリーマーケットアプリで有名なメルカリは、社外向けの勉強会用に、おしゃれで華やかな料理を注文。料理人は現場でひと工夫して、メルカリのロゴを再現した一品を作り、大いに喜ばれたという。

 定期的に懇親会を開いている外資系のデザイン会社グッドパッチは、70人分でオーダー。多国籍企業なので社員の国籍も多彩だ。イスラム教徒やベジタリアンの社員もいて、いつも飲食店の選択に悩んでいた。それで、どんな社員でも一緒に食べられるメニューをリクエストし、好評を得た。

 このサービスを立ち上げた株式会社キッチハイクは、これまで個人間のサービスを行っていた。COOK(クック)という呼び名の料理人が、自慢のメニューをサイトで紹介し、食べたい人がクックのもとを訪れるというサービスだ。これをオフィス用に発展させたのが、このサービスというわけだ。

 「弊社では、キッチンが併設したオフィスに移転してから、福利厚生として、スタッフ皆でランチを作って、毎日一緒に食べています。それを知った方の中から、うちの会社もやりたい、COOKさんに作りに来てほしい、という声が少しずつ届き始めたんです」(キッチハイクの川上真生子さん)

 そこで、知り合いの会社へトライアルとして出向いているうちに、社内にキッチンを作ったものの活用されてないケースを数多く目にしてきた。ならば手作りの料理サービスが成立するのでは?と考え、事業化に踏み切った。

「ある企業からは週に1回という定期的なランチの依頼がありました。ふだんは弁当を取っているそうですが、社員の健康のことを考えてのオーダーでした。このサービスでは、できるだけ社員さんに準備や片付けにも入ってもらっているんです。最初は嫌がるかなと思っていたのですが、これが思いのほか好評で、食器洗いや片付けしながらのコミュニケーションが楽しかったと喜んでもらっています。仕事での上下関係が消えて、誰もがフラットな関係になれるからだと思います」

 料理を運んで来るだけのケータリングと違い、作り手はオフィスで料理を作り、メニューの説明や質問にも積極的に答えている。そういう交流もオフィスキッチハイクの特徴である。

 「できたてだから美味しい」「料理の作り手の顔が見えるのが良い」「どの料理も手作りなので温かさが伝わってくる」「心が満たされる感じがする」

 利用者からはこんな声があがっている。

 「働くことの中心に“食事”があると、自然と会話が弾みます。我が社はランチタイムに十分交流しているので、夜の飲み会は一切やっていません。コミュニケーションのコストが下がり、健康にも良いですね」

 このサービス、現在は東京近郊限定となっているが、クック自体は全国にいるので、相談をもらえれば、可能な限り対応したいとのこと。

 うちのオフィスは会話が少ない、業務が滞っている。そんな悩みをお持ちの社長さん。一度、手作りランチを試してみてはいかがでしょうか。(吉田 由紀子/5時から作家塾(R))

 《5時から作家塾(R)》 1999年1月、著者デビュー志願者を支援することを目的に、書籍プロデューサー、ライター、ISEZE_BOOKへの書評寄稿者などから成るグループとして発足。その後、現在の代表である吉田克己の独立・起業に伴い、2002年4月にNPO法人化。現在は、Webサイトのコーナー企画、コンテンツ提供、原稿執筆など、編集ディレクター&ライター集団として活動中。