花咲徳栄の甲子園優勝で「いいね!」10倍 知名度「?」の埼玉・加須市に千載一遇のチャンス
夏の甲子園で初優勝を果たした花咲徳栄。埼玉県勢としても初めての全国制覇となったが、この快挙で俄然、注目を集めているのが、学校がある同県加須市。首都圏に住むものさえ「かすし?」と読み間違えるほど、知名度はいまいちだったが、優勝が全国ニュースで繰り返し報じられたことで「かぞし」という正式な読み方が定着しつつある。優勝後、同市の公式フェイスブックには1千を超える「いいね!」がつくフィーバーぶり。市職員も「いつもの10倍以上だ」と驚いている。
「加津」「神増」「加増」…???
都心からおおむね50キロ圏内にある加須市。埼玉県の東北部に位置し、群馬、栃木、茨城の3県に接する。その面積は約133平方キロ。人口は約11万人という典型的な郊外田園都市だ。
「かぞ」とは一風変わった読み方だが、その由来は謎に包まれている。加須市によると、元々の字は「加津」「神増」「加増」のいずれかだったが、江戸時代の正保~元禄のころに「加須」に変化した。資料によると、最後の「加増」説が有力。「新田開発により領地の石高が『加増』した土地だからではないかと推測されています」(加須市シティプロモーション課)。
ふるさと納税返礼品は 「加須手ぼしうどん詰め合わせ」
名物は、うどんとこいのぼり。加須市の公式ホームページによると、江戸時代半ば、利根川の渡舟場や不動岡にある總願寺の門前で参拝客をもてなしたのが、加須うどんの起源。「足踏み」「寝かせ」といった手打うどん独特の作業を通常の2倍行い、こしの強さとのどごしが特徴。夏場は細うどん、冬場はひもかわうどん…と季節に合わせた趣向を凝らしている。ちなみに、加須手打ちうどん会には、22店舗が登録している。
ふるさと納税の返礼品でも、「手打ちうどん体験」(年4回予定、1万円~)、「加須手ぼしうどん詰め合わせ」(1万円~)などが用意され、加須市の力の入れ具合を垣間見ることができる。
こいのぼりでも“日本一”
加須市は、国内有数のこいのぼりの生産量を誇ることでも知られる。先の大戦の前には、生産量日本一だったという。高度成長期に職人が減った上、化学繊維のプリントのものが増えたこともあり、現在、市内でこいのぼりをつくっているのは3社だけだ。
毎年5月3日の市民平和祭には、利根川河川敷緑地公園で、全長100メートルのジャンボこいのぼりの遊泳が行われる。なお、ふるさと納税では、「ジャンボこいのぼり特別観覧席+うどんお食事券」(1万円~)もある。
関東三大不動の住職が必勝祈る
加須市内には利根川が生んだ田園風景が広がる。2012年にラムサール条約湿地に登録された「渡良瀬遊水地」や全国水の郷百選に選ばれた「浮野の里」などの名所も少なくない。
関東三大不動に数えられる不動ヶ岡不動尊總願寺もその1つ。花咲徳栄が初めて甲子園に出場したときから、必勝を祈願し、参拝している場所でもある。
山口真司住職は徳栄ナインが加須市を出発してから、毎朝6時から必勝を祈願。決勝の朝も「必勝と笑顔」を祈っていたという。
その徳栄ナインは24日夕、加須市花崎の母校に到着する。今後、凱旋(がいせん)パレード、表敬訪問…と、イベントがめじろ押しだ。
いいね、ツイートが急増
「どのようにチームを迎えるかで頭がいっぱいです」と話すのは加須市職員。昨日から、市民らから問い合わせが殺到しているという。
公式フェイスブックの「いいね」は通常、1つのコメントに100もつかないというが、23日に「甲子園 花咲徳栄 初優勝 全国3839校の頂点 埼玉県勢初」などとコメントしたところ、24日午後4時時点で2000を超えている。
「ツイッターにも『おめでとう』というツイートが今までにないような数で寄せられている」と驚きを隠さない加須市職員。観光や名物をPRするにはまたとない絶好のチャンスだが、「落ち着いて、知恵を使って(国民の)関心を引き込んでいきたい」と話した。爆発的な徳栄打線に負けないアイデアで日本中の関心を集めることができるか-。(池田証志、飯嶋彩希)
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