薩長土肥フォーラム、知見深める場に
インタビュー□作家・加来耕三さん(58)
--来年は明治維新から150年。10月7日に東京ビッグサイトで開く『明治150年記念 薩長土肥フォーラム』で基調講演を務める
「明治維新100周年は感慨深く懐かしむような迎え方だったが、今回は『これでよかったのか』といったような検証もなされている。こうした中での150周年だけに、結果論ではなく、『なぜそうなったのか、ほかにどんな選択肢があったのか』といった明治維新の本質を理解する機会にすべきではないかと思う。なぜ、薩長土肥が原動力に成り得たのか、といったことも含め、150年前の大変革を知ることは、現代を生きるわれわれにとっても大きな教訓となるはずだ。薩長土肥フォーラムも、そういった知見を深める場としたい」
--歴史を知ることは、先を考える力を持つことだ
「折しも日本は、大きな曲がり角に差し掛かっている。明治維新の頃と同様、このままではいけないという状況だ。日本企業の競争力低下や財政危機、地方の埋没、アイデンティティーの喪失危機など、問題は山積している。では、どうしたらいいのか。150年前のことも大いに参考になるはずだ。ただし、本質をきちんと理解しなければいけないと思う。間違った知識や思い込みを参考にしてはいけない」
--これからを生きるわれわれには何が必要か
「心豊かに生きる工夫ではないか。東京一極集中や利益至上主義のような考え方は、もはや立ち行かない。世界恐慌や第二次世界大戦後には、都市から地方への人の流れが起きた。地方には食料や耕作地があったためだ。今後、大恐慌のようなことが起きれば、やはりそうした人の動きがあるだろう。地方には人を受け入れる豊かさがある。豊かに生活する知恵もある。歴史からは、それらを学ぶこともできるはずだ」
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【プロフィル】加来耕三
かく・こうぞう 1981年、奈良大学文学部史学科卒。学究・著作活動を経て84年、奈良大学文学部研究員。現在は大学や企業で講師を務める傍ら、著作活動を続けている。『歴史研究』編集委員などのほか、古流剣術「東軍流」の第十七代宗家でもある。大阪府出身。
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