水戸市、ソウルフード「納豆」の年間消費額で首位陥落か 視線は早くも来年に
昨年の総務省家計調査で1世帯(2人以上)当たりの納豆消費額で3年ぶりに首位を奪還した水戸市が、今年は苦戦している。9月までは2位で粘っていたが、10月には3位に順位を下げ、首位の福島市との差は1132円にまで開いた。首位陥落が濃厚になったが、市や茨城県納豆商工業協同組合は早々に気持ちを切り替え、来年に返り咲きを果たそうと、引き続き、「水戸のソウルフード」(市観光課)の消費拡大に取り組む。
市観光課によると、今年の1世帯当たりの納豆消費額は、10月までの累計が5660円の福島市が独走。同市は7カ月連続で月間消費額が1位で、昨年の水戸市の年間消費額5565円をすでに上回っている。2位は、9月の4位から躍進した盛岡市で4551円。4528円の水戸市が23円の僅差で追うが、4位の山形市とは102円しか離れていない。
市や同組合は2年連続1位を目指し、昨年に続いてあの手この手で納豆のPRに努めてきた。毎年盛況の「納豆早食い世界大会」や納豆講座「I LOVE 納豆」の開催をはじめ、7月には、市内で納豆料理を味わえる店舗の紹介マップも作成した。イオンモール水戸内原で11月26日に開いた「いばらきの納豆まつり」には、約2千人が集まった。
水戸市は昨年、11月時点で1位の盛岡市に67円の差を付けられていたが、12月の追い込みで逆転。その差はわずか5円だった。
今年10月までの水戸市の消費額は昨年並みだ。だが、全国納豆協同組合連合会によると、健康志向の高まりに伴い、納豆の消費額はここ5年で2割以上増えるなど、全国的に上昇傾向が続いているという。水戸市は相対的に消費が鈍っている形だ。
茨城県納豆商工業協同組合の高野正巳理事長は「福島市に大きく離されてしまった。もう1位になるのは難しい」と嘆息。ただ、「来年、また首位を奪還した方が市民も盛り上がるのでは」と捲土(けんど)重来に闘志を燃やしている。
高野理事長によると、東北各県には「納豆汁」など納豆を料理に使う文化があり、特に冬は消費量が伸びるという。高野理事長は「水戸も納豆ご飯だけではなく、納豆料理がもっと普及すればいい」と意気込む。
同組合ではフルカラーの納豆レシピ集を作成中で、来年度に配布する予定だ。市教育委員会などが9日に開催する納豆講座では、納豆料理6品を試食し、納豆にあう調味料や食材を吟味する。また、昨年度から市立小中学校の給食には、納豆入りの「みとちゃんカレー」が登場している。
同組合が首位の座にこだわるのは、「納豆のまち」としてのプライドだ。
高野理事長は「水戸からのPR、水戸での盛り上がりが、全国的な納豆のイメージアップに一役買っていると思っている。水戸が常に納豆をアピールすることが大事なんだ」と語る。
市観光課の担当者も「納豆は郷土料理であり、ソウルフード。市民にも県外の人にももっと親しんでほしい」と話し、納豆を地域活性化や観光資源に役立てたい考えだ。(水戸支局 上村茉由)
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