九谷焼の魅力、キャラで表現 ウルトラマンやドラえもん、人気キャラとコラボ

 

 必殺技を繰り出すウルトラマンや笑顔のドラえもん-。人気キャラクターが絵付けされた九谷焼のマグカップや皿などの商品が好評だ。売り出したのは地元販売業者でつくる「九谷焼彩匠会」。関係者は「九谷焼を知らなかった人にも良さや魅力を着実に伝えられている」と、手応えを感じている。

 江戸時代に石川県南部で生まれた九谷焼は鮮やかな色絵が特徴で、美術品や日用品として親しまれてきたが、生活様式の変化などで生産は減少傾向。同県能美市によると、生産額は平成2年度の165億円をピークに、28年度は48億円にまで下がった。

 「新しいことを始めなければ衰退してしまう」。彩匠会は、現状に危機感を持った同市などの12業者が22年に結成。ウルトラマンの脚本を数多く手掛けた故佐々木守さんの出身地であることを生かした町づくりを進める同市と協力し、コラボ商品の開発を円谷プロダクション(東京)に持ち掛けた。

 当初は著作権の問題などから難色を示されたが、作家が絵付けした試作品を持って行くと快諾してくれたという。

 23年に生産を始めたウルトラマンのイラスト入りマグカップを皮切りに、箸置きやフィギュアも登場。キャラクターも、ウルトラセブンなどのウルトラ兄弟や怪獣のほか、キティちゃんやドラえもんと広がり、昨年秋には鉄腕アトムなど手塚治虫さんの漫画のキャラも加わった。

 彩匠会はこれまで、札幌市や静岡市、福岡市などの百貨店で企画展を開催。今後も各地で展示や販売会を行うことにしているが、生産が追い付かないほど注文が集まっているという。