松島教授は「自分の理論を実際に経済政策にあてはめることで、生きたデータが入り、さらに研究内容が高まる。日本の経済学がレベルアップするのに必要なのは、研究費増額などの支援ではなく、こういう根本的な姿勢だ」と強調する。
また、日本語による論文がネックになっているとの見方もある。ノーベル賞では、論文の引用量の多さが選考に大きく影響するが、日本語で論文を発表すれば海外の研究者の引用は望めない。
日本経済学会は1995年、英文で出版された学術論文などで国際的な業績を挙げた45歳未満の若手経済学者を表彰する「中原賞」を創設。海外の大学で研究する経済学者など、若手の発掘に寄与している。
さらに、世界経済が直面している不況の原因や金融財政政策に関しては、日本人による研究の方が、欧米諸国より進展している事例もあるという。
英国在住のある経済学者は「今後このような研究が認められ、経済学賞を受賞する日本人研究者も出てくるのでは」とみている。
米情報会社のトムソン・ロイターは12年のノーベル経済学賞の有力候補の一人に、米プリンストン大の清滝信宏教授を挙げており、近い将来の日本人受賞の可能性もありそうだ。