莫言氏【拡大】
現在、中国が日本をしのぐペースで研究開発(R&D)に資源を投じている。中国人研究者のノーベル賞に期待したくなるが、ことはそう簡単ではない。
北京の専門家によれば、基礎分野のR&Dは「成果が10あれば8までは失敗」という効率の悪さから敬遠され、外資が中国で進めるR&Dは、「中国市場に適合する商品開発ばかり」という。他方で、軍事技術を頂点とした秘密主義、知的財産権の侵害も横行する。
地道な努力より、手近な成果を競う風土こそが、中国をノーベル賞から遠ざける最大の原因ではないか。(産経新聞東アジア室長 山本秀也)