京都大農学研究科の栗山浩一教授(環境経済学)は4日、世界文化遺産に登録されることが確実となっている富士山について、地元自治体などが導入を検討している500~千円程度の入山料では、ほとんど登山者数が減らないとの分析結果を発表した。
富士山には年約32万人(平成24年)の登山者が訪れ、世界遺産登録でさらに増加が予想されているが、栗山教授は「登山者を減らすためには、入山料とは別の対策が必要ではないか」としている。
栗山教授は、過去の登山者数や旅行費用などから統計学の手法で傾向を分析。入山料が500円で2%、千円で4%、登山者数が減るとの結果が出た。
一方、屋久島(鹿児島県)など他の世界遺産と同様に登録後に訪問客が30%前後増えると仮定すると、従来と同程度の登山者数に抑えるには、入山料を7千円に設定する必要があると試算した。
ただ、入山料500円なら年間で約1億5千万円、千円なら約3億円の収入が見込めることから、環境保全や安全対策の費用を集めるためには一定程度有効とした。
栗山教授は「高額な入山料の設定は反対が大きく現実には難しいだろう」としたうえで、「登山者を減らすためには、事前予約制のツアー方式や、登山者の人数制限といった対策が有効だ」と述べた。