世界文化賞25周年記念レセプションで受賞者のフランシス・フォード・コッポラさんと歓談される天皇、皇后両陛下=16日午前、東京・虎ノ門のホテルオークラ東京【拡大】
東京・虎ノ門のホテルオークラ東京で16日に開かれた「高松宮殿下記念世界文化賞」の25周年記念レセプションには、天皇、皇后両陛下も臨席された。今年の受賞者5人のほか、歴代の受賞者も出席。両陛下は常陸宮ご夫妻とともに受賞者らと懇談し、祝意を伝えられた。
「両陛下とお会いできたのは、素晴らしい経験でした。短い時間でしたが、優しく、魅力的な笑顔で接してくださいました。とても光栄に思います」。ハリウッド映画の巨匠で、今年の演劇・映像部門受賞者、フランシス・フォード・コッポラ監督(74)は神妙な表情をみせた。
コッポラ監督と同じ演劇・映像部門で昨年受賞したプリマバレリーナの森下洋子さん(64)は「皇后さまは『(清水哲太郎さんと)2人でよく頑張っていらっしゃるのね』と話しかけてくださいました。それに『今年の夏は暑かったけれど、お体は大丈夫ですか?』とも。私たちが体を使うことをご存じで、気にかけていただき、感激しました」。
昨年の絵画部門受賞者、蔡國強(さい・こっきょう)さん(55)は25周年記念レセプションなどに参加するため、アトリエのある米ニューヨークから来日。「皇后さまが、火薬を使って制作する私の作品をよく知っていてくださり、びっくりしました」と喜びの笑顔を見せた。
1986年から9年間、日本に滞在した蔡さんは、皇后さまに日本語で「中国国籍を持つ初の世界文化賞受賞者として、アートを通じ日中友好のために尽くしたいと思います」と話したという。
また、2005年に建築部門で受賞した谷口吉生さん(76)は現在、建設中の京都国立博物館平常展示館で設計を手がけており、両陛下から「完成が楽しみですね」といったお言葉があったという。