原子力規制委員会は23日の定例会で、東京電力福島第1原発の汚染水問題をめぐり、田中俊一委員長が東電の広瀬直己社長と面会し、対応策を直接聞き出すことを決めた。会談は来週にも行われる見通しで、規制委は会談で納得する対策が示されるまで、東電が再稼働に向け申請した柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の安全審査の会合を開かない方針。
規制当局のトップが事業者側の経営幹部と会談することは異例。田中委員長は定例会見で「あらゆる問題を話したい。福島第1の問題を収めるため何ができるか、率直に意見を交わしたい」と述べた。
汚染水処理のトラブルが続発し、東電は再発防止策をまとめた報告書を原子力規制庁へ提出。内容が不十分だったため、この日の定例会では委員らからトップ会談を求める意見が出た。
柏崎刈羽6、7号機の安全審査について、東電は報告書で運営に適切に取り組んでいるとしたが、更田豊志(ふけた・とよし))「委員は「柏崎刈羽(の審査)を少しでも前に進めたいから、福島第1の対応を十分にできていると(主張)する構造があっては困る」と話し、審査開始に慎重な見解を述べた。