■汚染水対策と廃炉、完全分社し国有化を
--自民党が、東京電力福島第1原発の汚染水対策や廃炉事業の分社化案などを安倍晋三首相に提言した
「役所側が主張している通りの内容にはなっておらず、官僚と政治家が拮抗(きっこう)している状況にあるので、相当いい。中でも、東電の破綻処理はしないと提言で明言したことは評価できる」
--東電は社内分社化を検討している
「それでは不十分。東電から完全に分社化して国有化すべきだ。その上で福島第2原発と柏崎刈羽原発を早期に再稼働させ、両原発の収益を国有化する廃炉・汚染水対策会社に回す仕組みにすればいい。収益を生み出す『グッド東電』と廃炉事業を担う『バッド東電』に明確に分離し、グッド東電で賠償費を稼ぐ体制を作れば、税金を投入しなくても済む」
--東電は賠償費を賄えるか
「柏崎刈羽原発の1~7号機を再稼働させ、稼働率を欧米の原発並みの92%程度に保てれば、年間9800億円の収益が稼げる。賠償費が5兆円ぐらいでも支払える。東電の電気料金も値上げ前の水準に戻せる」
--原発の再稼働は、原子力規制委員会の安全審査の結果を待つ必要がある
「原発を稼働しながら、並行して審査をやるのが世界の常識。米スリーマイル島原発や旧ソ連のチェルノブイリ原発は、事故を起こした炉以外は稼働し続けた。規制委は再稼働させたくないとの思惑が見え透いている。首相か経済産業相が稼働の最終判断をするという規定を設けるべきだ」
--東電のさらなる合理化は避けられないか
「人員削減は、これ以上は行うべきでない。合理化によって韓国や中国など海外に原子力技術者が流出すれば、国益の損失につながる」
◇
【プロフィル】石川和男
いしかわ・かずお 東大工卒。1989年通産省(現経済産業省)入省。資源エネルギー庁で電力・ガス事業政策、新エネルギー・再生可能エネルギー発電政策などを担当。2009年1月から現職。福岡県出身。