「真央が別人になった」と電話
〈2005年12月、東京で行われたグランプリ(GP)ファイナル。タラソワさんは浅田真央選手の滑りに衝撃を受けた。15歳の少女がロシアの女王、イリーナ・スルツカヤ選手を破り、優勝したのだ〉
あのシーズン、スルツカヤはとても調子がよかった。全ての大会で勝利を手にし、記録的な得点を獲得していた。真央は技術的にもスルツカヤに近づいていた。世代を超える滑りだったわ。
〈しかし、浅田選手は年齢制限のため、翌年2月のトリノ五輪には出場できなかった〉
真央の五輪は実質的にはソチで3度目になる。トリノのときは数カ月、出場資格年齢に達していなかっただけ。あのとき、私は関係者に「五輪に出場させるべきだ」と提案したの。私は自分の意見をはっきりと述べるから、年齢は関係ないと言ったのね。でも認められなかった。
〈トリノ五輪でスルツカヤは3位に。金メダルは完璧な演技で荒川静香選手が獲得した〉
GPファイナルで負けたけど、スルツカヤはトリノでは意気消沈した様子を見せなかった。でも、スルツカヤを指導した経験者として思うのだけれど、心理的な影響はあった。彼女はそれを払拭することができなかった。真央は、スルツカヤを打ち負かしたのよ。