東京電力福島第1原発の4号機燃料貯蔵プールからの燃料取り出しが18日、始まった。1年かかる燃料移送では、燃料損傷により取り出せなかったり、運搬中に落下する懸念が残る。大破した建屋での作業は世界的にも前例がなく、東電は事故防護策を何重にも施し作業に当たる。
「(燃料を)押しても、引いても出てこないという状態が一番懸念される」。原子力規制委員会の更田(ふけた)豊志委員は、取り出し作業に立ちはだかる最大の障害として、プール内の燃料貯蔵ラックが傷ついて湾曲し、燃料が引っかかって取り出せない「かじり」と呼ばれる現象を挙げた。
通常の取り出し作業では、燃料をクレーンで350キロほどの荷重で引っ張るところを、今回はかじり対策として約3倍の1トンの力を加え引き抜く。燃料は1トンの荷重をかけても破損しないことが事前に確認されている。
東電は、燃料を高さ最大17メートルから落下した場合の分析を行い、燃料がクレーンから落ちて燃料を覆う「被覆(ひふく)管」が損傷しても、外部へ出る放射線の影響は約0・78マイクロシーベルトで微量だとする検証結果を報告。更田委員も「被覆管に軽微な損傷を生じた程度では、周辺に与える影響はそれほど大きくない」との見解を示した。