日本の交渉関係者は「震災後にエネルギー政策が定まらない中で、今回の目標は今できる精いっぱいのもの。各国の批判は想定内で、これまでの温室効果ガス削減の実績や、新たな途上国支援などによって存在感を示すしかない」と述べた。
COP19で、日本が世界的な温室効果ガス削減への貢献策として表明したのが「攻めの地球温暖化外交戦略」だ。
「Actions for Cool Earth(美しい星への行動)」をうたった同戦略は、2050年までの世界全体の温室効果ガスの排出量半減、先進国全体で80%削減を目指すとの目標を掲げ、その実現に向けた具体策を記した。
柱となるのは途上国への資金・技術支援だ。13~15年の3年間で官民合わせて計160億ドル(約1兆6000億円)を途上国向けに拠出すると明記。技術支援では途上国に環境技術を提供する見返りに、二酸化炭素(CO2)の排出削減分を日本側に算入する「2国間クレジット制度」を推進し、現在は8カ国の制度参加国を3年で倍増させることを掲げた。また、環境関連の技術開発の推進に向け、今後5年間で官民合わせて1100億ドル(約11兆円)の国内投資を行うことも盛り込んだ。
石原環境相はCOP19の会場で「日本の優れた環境技術で世界のCO2削減に貢献したい」と強調した。
COP19を終え、既に日本政府は“次”に向けて動き出している。石原環境相はCOP19の演説で「エネルギー政策の検討の進展を踏まえて見直し、確定的な目標を設定する」と発言。年明け以降、原発の再稼働など削減目標の前提となるエネルギー政策がある程度明らかになった時点で、目標の引き上げ検討を本格化させることを念頭に置いた発言とみられる。