北陸新幹線の延伸開業に向け、新幹線が初めて通る石川、富山などの沿線自治体ではカウントダウンイベントがめじろ押しで、歓迎ムードが高まっている。
導入される新型車両「E7系」は、漆器などの伝統工芸が盛んな古都・金沢をイメージしたアイボリーの車体が特徴。機能面でも車両の振動を最大限抑える装置を備えたほか、地震などの際の安全対策としてブレーキ性能を強化した。
「新幹線が来るのは長年の悲願だった。東京からのお客さんを呼び込み、地域の活性化につなげたい」。金沢市プロモーション推進課の吉田康敏課長は北陸新幹線の延伸開業が待ち遠しい様子。歓迎ムードを盛り上げようと、今年3月にプロモーション実施計画を策定し、10月には第1弾として1千人で北陸新幹線の線路を歩くイベントを開催。開業の1年前や200日前、100日前の節目に駅舎の見学会などを計画している。
隣の富山県では「北陸新幹線が停車する県」のPRに余念がない。来年3月には、東京駅近くのビルで1週間にわたり立山黒部アルペンルートなどの風景を映像で流したり、豊富な食材をPRするイベントを行う。
新幹線開業対策を担う県知事政策局の川津鉄三さんは「首都圏からの観光客を受け入れるにあたり、『おもてなし』対策にも力を入れ、リピーターを増やしたい」と話す。
このほか、新潟県上越市でも周辺自治体と連携して都内で観光PRを企画している。
JR東日本も、北陸新幹線の延伸開業に地域活性化への効果を期待している。冨田哲郎社長は今月3日の定例会見で「新幹線ができて北陸が元気になったといわれるように努力していきたい」と意気込みを語っている。