降圧剤データ改竄でノ社を刑事告発へ 厚労省、誇大広告の疑い

2013.12.18 11:56

 製薬会社「ノバルティスファーマ」が販売する降圧剤「ディオバン」(一般名・バルサルタン)の臨床研究データ操作問題で、厚生労働省が近く、薬事法違反(誇大広告)罪でノ社と同社の責任者を捜査当局に刑事告発する方向で最終調整していることが18日、分かった。告発先は東京地検を念頭に、法務省と協議している。

 これまでの厚労省などの調査では、東京慈恵会医大など5大学で平成14~22年、ディオバンについて大規模な臨床研究が行われた。このうち東京慈恵会医大と京都府立医大の論文は「ディオバンは血圧を下げる効果に加え、脳卒中などを防ぐ効果が高い」とする結論になっていた。

 ノ社は東京慈恵会医大の論文を419種、京都府立医大の論文を285種の宣伝資料に使い、年1000億円超を売り上げた。この2大学で行われた臨床研究では、ノ社の元社員が身分を隠して参加していたことが分かっている。

 厚労省は、不正なデータを使った論文を元にディオバンの宣伝活動を行ったことは、医薬品の効能や効果について「虚偽や誇大な記事を広告してはならない」とする薬事法に違反する可能性があると判断。ノ社から資料の提出を受け調査を進めてきた。ただ、これまでのノ社と2大学の調査ではデータを操作した人物は特定できておらず、厚労省も強制力のない行政調査では限界があると判断した。

 一連の問題をめぐっては、厚労省の有識者委員会が9月末、データ操作された論文を使った広告が「誇大広告に当たる疑いがある」として、国に厳しい対応を求める中間報告をまとめている。11月には、薬害被害者などの団体も、薬事法違反と不正競争防止法違反罪で東京地検に告発状を提出している。

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