製薬会社ノバルティスファーマが販売する降圧剤「ディオバン」(バルサルタン)の臨床研究データ操作問題で、東京地検特捜部は19日、薬事法違反(誇大広告)容疑で、同社など関係先を家宅捜索した。真相解明のためには強制捜査が不可欠と判断したもようで、押収した資料を分析し、データ操作に関与した人物の特定を進める方針。
関係者によると、ノ社は「ディオバンは血圧を下げる効果に加え、脳卒中などを防ぐ効果が高い」とする東京慈恵会医大や京都府立医大の臨床研究論文を引用し、平成23~24年にかけて医師向けの広告やパンフレットでディオバンを誇大に宣伝した疑いが持たれている。
2大学にはノ社の元社員が身分を隠してデータ解析などに加わっており、論文に使われたデータは人為的に操作されていたことが判明している。