国土交通省は4日、いすゞ自動車の中型トラック「フォワード」が電気装置の不具合により、平成25年9月までの3年間に全焼1件を含め7件の焼損があったと発表した。けが人はいなかった。いすゞ自動車は同日、フォワード計3万6823台(平成5年4月~19年7月生産)のリコールを国土交通省に届けた。
国交省によると、車両フロントのヒータ内を循環する冷却液を定期的に交換しなかった場合、冷却回路にさびが生じることで亀裂が入り、冷却液が下部にある電気装置の制御ユニット内に流れ込むことがあるという。そのまま使用を続けると、警告灯が点灯して制御に支障が起るほか、ショートするなどして火災が発生する恐れがあるという。
国交省がいすゞから報告を受けた不具合は計11件で、7件は火災や部分焼損だった。24年5月には埼玉県内の関越道を走行中の車両から発煙し、消火しきれず全焼したケースもあった。
いすゞは改善措置として、利用者に対し冷却液を2年ごとに交換するよう周知徹底を図るとともに、制御ユニット上部に防水カバーを追加することを決めた。