田崎 そうなんですか。たしかに私もセシウムばかりに目がいってしまい、カリウムのことはあまり深く考えたことがありませんでした。
長瀧 疫学的にみて、チェルノブイリでは今でも福島の子供の何倍というセシウムを持つ子供がいっぱいいます。現地にまだセシウムが残っているからです。セシウムの影響があったという報告もありましたが、世界各国から多くの科学者が集まる国際機関、国連科学委員会(UNSCEAR)は、その報告を科学的に評価した結果、「影響を認めることはできない」としました。しかし、日本のメディアは、UNSCEARの厳然とした科学的評価をあまり報道せず、科学的には認められなかった報告を記事やニュースとして取り上げ、不安感や恐怖感をあおる報道が一部で見られました。
田崎 そうなんですね。やはり子を持つ親としては、リスクがあるといわれると、わかっていても気になりますから。
長瀧 リスクがあるという報道を信じてしまいますからね。しかしながら、カリウムやセシウムの量はこれだけあって、そのカリウムやセシウムで何かが起こったということはどこにも報告されていない。このことを、子供を持つお母さんたちとゆっくりと時間かけてお話しする。そういうリスクコミュニケーションの場を設けることが大切だと思います。
長瀧重信・長崎大学名誉教授に聞く (2-2)に続く