《淡々とペーパーを読み上げる笹井氏。次に「経験の若い研究者をリーダーに選んだのは問題ではなかったのか」との質問について説明を始める》
笹井氏「2012年12月中旬、小保方さんの研究リーダー採用の審査は、他の研究リーダーの選考と同様に人事委員会において、本人の研究プロジェクトの計画と現在の研究のプレゼンテーションをお聞きし、さらに、委員が詳細な議論を行い、研究の独創性、挑戦性、研究の準備状況を中心に評価しました。これまでの小保方さんの指導者からの評価も参考にしました。通常の手続きと同様で一切偏りがなかったと考えています。私を始め多くの人事委員は、本人と会い、話をしたのは採用面接が初めてです」
《笹井氏は小保方さんの抜擢(ばってき)について、問題はなかったとの説明を続けた》
《そして、いよいよSTAP細胞の存在についての説明だ》
笹井氏「本論文の信頼性が複数の過誤や不備により大きく損なわれた以上、STAP現象の真偽の判断には理研内外の予断のない再現現象が必要だとの考えを持っています。その考えをもとに展開することが、現在最も適切な考えであると思っています。そして理研の検証チームがSTAP現象の真偽に特化した検証実験を行い、外部に協力していくことが理研の使命だと思います」
《続いては、笹井氏が1月の会見で、STAP細胞がiPS細胞より作製効率が高いとする広報資料を作成した問題についての説明だ》
笹井氏「1月のプレスリリースは、あくまで基礎的なマウスの抽出段階でのリリース。実用性を目指した研究段階でないことを強調しました。あくまでSTAPという初期化原理を報告するというのが趣旨でした。一方で、STAP細胞が明らかにした新しい原理の補足説明資料を用意しました。この資料が、原理論での解説から外れ、技術効率論として一人歩きししてしまい、山中先生を始め京大iPS細胞研究所の皆さまに大変ご迷惑をおかけしたことを申し訳なく存じます。この件に関し、私自身京大におわびに参り、私と山中先生との共通認識を再確認して、資料の撤回をすることにしました。STAP細胞の優位性を強調する意図は全くなかったのです。京大IPS研究所とは積極的な協力関係を築いていますし、今後も発展的に進めていきたい」