原発の汚染水対策【拡大】
さらに「日本陸水学会」(会長、熊谷道夫・立命館大教授)が昨年末、「凍土壁では放射性物質を長時間完全に封じ込めることができないだけでなく、より大きな事故を起こす可能性が高い」とする文書を内閣府原子力災害対策本部に提出していたことが判明。熊谷会長は取材に対し「総会で決めたことで、学会の総意だ」と話した。
凍土の量は約7万立方メートルで、過去最大の東京・九段下で行われた都営トンネル工事(昭和55年)の約4万立方メートルをはるかに上回る。学会は、文書に研究論文などを添付し、「凍土を安定した状態で維持することは困難。凍土溶解で多量の溶液が海などに流入する」と有効性に懸念を示す。(原子力取材班)
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用語解説
凍土遮水壁 福島第1原発では、壊れた原子炉建屋に山側から地下水が1日約400トン流れ込み、放射性物質に触れて新たな汚染水を生んでいる。このため、凍らせた土で壁をつくることで水の流入を防止。建屋を囲むように、凍結管を埋設し冷媒を循環させることで凍土を造る。総延長は約1500メートル。