コピペ判定ソフト「アイセンティケイト」のサンプル画面。右上の「92%」という数字が文章中のコピペの疑いがある比率(アイグループジャパン提供)【拡大】
九州大の学務企画課課長補佐の轟政昭氏は「博士論文などで悪質なコピペが発覚すれば、大学の評価を落とすことになる。学生側にとっても、出典元の記載忘れや他者の論文と自身の研究内容を混同するミスを防ぐメリットもある」と語る。九大は7月にも判定ソフトを導入するという。
判定ソフトに加え、倫理教育を通じて学生のモラル向上を図る動きもある。
熊本大大学院は今年度後期、研究者倫理に関する講座を新設する。担当者は「理系研究者の不正が明らかになる中で、研究者の倫理レベルを改めて引き上げる必要性があった」と語る。
文部科学省によると、こうした倫理教育プログラムの実施大学は、全国2割強にとどまる。文科省は今後、研究者倫理教育の実施を大学や研究機関に義務付ける方針を出している。
便利なコピペ機能も、使いようによっては「盗作」となり、膨大な時間と費用をかけた研究成果そのものが疑われる結果を招く。科学技術立国を目指す日本にとって、見過ごすことはできない。