経済産業省資源エネルギー庁と鹿島建設は16日、東京電力福島第1原発で地下水を原子炉建屋に近づけさせないため土壁を凍らせる「凍土遮水壁(しゃすいへき)」の実証試験現場を報道陣に公開した。凍土壁内部の公開は初めて。凍土壁は汚染水減少の抜本策として、政府と東電が来月着工、来年3月の凍結開始を目指しているが、原子力規制委が安全性に懸念を示しており、着工が遅れる可能性がある。
エネ庁と鹿島は今年3月から、4号機建屋の西側約100メートルの場所で実際に凍るか確認する凍結実証試験を開始。試験では10メートル四方を取り囲むように、1メートル間隔で「凍結管」を地下約26メートル付近まで打ち込み、そこに冷却材を流して土を凍らせている。
凍結開始から約1カ月で厚さ約2メートルの壁ができたといい、鹿島は「遮水壁で囲まれた場所には地下水の流入はなく、効果は確認されている」としている。
この日の公開では、深さ約1.2メートルの穴に記者が入った。スコップで凍土をたたくと「カン、カン」と音がし、土が固まっていることがうかがえた。凍土表面はマイナス3度だったが、土中はマイナス20度ぐらいまで下がっているという。
福島第1原発の原子炉建屋には、1日約400トンの地下水が原子炉建屋に流れ込み汚染水を生み出している。地下水が原子炉建屋に流入しないよう、原子炉建屋の外周約1500メートルに凍土壁を建設する計画だが、規制委は遮水で建屋が地盤沈下する可能性を指摘するなど安全性を疑問視している。