川内原発に9日にも“合格証” 原子力規制委 再稼働は10月にずれ込みか

2014.7.3 08:12

原発再稼働までの流

原発再稼働までの流【拡大】

 再稼働に向けた安全審査が進む九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)について、原子力規制委員会が早ければ9日にも事実上の合格証となる「審査書案」を提示する方針を固めたことが2日、分かった。計12原発19基の安全審査の申請が出ているが、川内原発は新しい規制基準のもとでの合格第1号になる。今後は意見公募(パブリックコメント)などを経て審査書を確定、さらに地元の同意を得る必要があり、再稼働は10月にずれ込む可能性がある。

 九電は昨年7月、新規制基準の施行と同時に審査を申請。規制委はこれまで、川内原発だけでも約60回の公開審査会合を開き、昨年9月と今年4月に2度の現地調査を実施した。

 審査書案は新規制基準に適合しているかを基準項目ごとに記載する。これまでの審査会合で議論になった課題を中心に、規制委の新基準適合性への判定理由が書き込まれる。

 川内原発で特に大きな課題となったのは、想定される地震の最大の揺れを示す「基準地震動」。九電は当初540ガルで申請したが、規制委の指摘に従い、2回にわたり修正し、620ガルに落ち着いた。

 想定される基準津波も従来の3・7メートルから5メートルに変更した。

 ただ、合格の見通しが立ったのは、原発の基本設計や方針を見る「設置変更許可申請」と呼ばれるものであり、そのほか、機器類の詳細を確認する「工事計画認可申請」と、運転管理体制をみる「保安規定変更認可申請」の審査が残っており、すべて終えるのは8月以降になる。

 その後、鹿児島県や薩摩川内市など地元自治体の同意が焦点となるほか、原発の機器を検査する「使用前検査」が控える。使用前検査も1~2カ月程度かかるとみられる。

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