キャリアプランが従来と異なる。例えばソフトエンジニアであれば、プログラマーからシステムエンジニア(SE)、プロジェクトマネジャー、技術部長になるような直線的な昇進を描くのと全く違うルートなのだ。世界の最大手さえも、現在の地位に甘んじずに革新を生み出す人材を育成しようとしている事実はショッキングでさえあった。
私の周りでも大きな変化を成し遂げた人がいる。B氏は以前、美術館の学芸員をしていたが、IT(情報技術)に興味を持ち、今や優秀なプロジェクトマネジャーとして活躍している。もともと持っていた柔軟な考えや、学芸員としての経験が力となった。環境変化に合わせたのではなく、興味のある世界へ自分を変化させて飛び込んでいった。
世の中の変化に対応していくためには、想定していなかった職種への転換もチャンスと受け止め、自ら行動していく意思力が重要になる。会社は、一人一人の才能を見いだし、それを育てていくプログラムはもちろん、貴重な宝として育成していく文化を醸成していかなければならない。そのような力を備えた組織だけが、変化を歓迎して繁栄を続けることができる。
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【プロフィル】浦山昌志
うらやま・まさし 佐世保高専電気工学卒。1978年松下電器産業入社。90年CSK入社。93年米シスコシステムズの認定教育を日本で初めて開始。2003年IPイノベーションズを設立し、代表取締役。08年ASTD(米国人材開発機構)ジャパンの設立を主導し、現日本代表理事・事務局長。56歳。長崎県出身。