【Bizクリニック】IPイノベーションズ 代表取締役・浦山昌志 (2/2ページ)

2014.7.22 05:00

IPイノベーションズ代表取締役浦山昌志

IPイノベーションズ代表取締役浦山昌志【拡大】

 米ミシガン大のデイビッド・ウルリッチ教授は、「人事は経営トップの戦略実現を支援するパートナーにならなければならない」と言う。しかし実際には、事業戦略を実現するために経営トップが描く人材像が古いままで、新しい時代にマッチしていないケースが多い。また、経営トップの人材育成に対する重要性の認識が低いため、人材育成部門とコラボレーションできていないことが多いと思われる。この場合は、人材育成部門よりもトップの責任が重い。

 日本でも有数のIT企業であるB社は、育成すべき人材像をきちんと決めてこなかった。時流に乗り、顧客の要望をかなえる努力をしてきた結果として大きな成長を遂げたが、ビジネスに未来永劫(えいごう)、成長を続ける魔法のモデルなどありはしない。次第に市場が飽和し、成長に陰りが見え始めた。その時々に必要だと感じて集めた人材が社内にあぶれ、育成を重視していなかったために、新しい時代への対応が進んでいないことに気づき、危機感を抱いた。

 人材育成部門のリーダーは会社の方針を見つめ直し、トップを説得しながら自分たちが目指すべき方向に沿った人材像を定義し始めた。トップだけでなく現場を巻き込むには、多くの抵抗に遭い、説得に時間を要した。現在は人材像の定義に基づいて採用、教育、配置、評価などを多面的に見直し始めている。事業方針に沿ってトップを説得し、自らの知恵と努力で人材戦略を構築した良い事例である。

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【プロフィル】浦山昌志

 うらやま・まさし 佐世保高専電気工学卒。1978年松下電器産業入社。90年CSK入社。93年米シスコシステムズの認定教育を日本で初めて開始。2003年IPイノベーションズを設立し、代表取締役。08年ASTD(米国人材開発機構)ジャパンの設立を主導し、現日本代表理事・事務局長。56歳。長崎県出身。

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