IPイノベーションズ代表取締役浦山昌志【拡大】
研修が商品知識や技術習得などの内容であれば、効果は測りやすい。しかし、例えばリーダーシップなどのマインドを醸成するような研修は、目に見えるパフォーマンス向上や業績としての効果測定がしにくい部分もある。研修で改善できるのは知識・スキル習得など企業が抱える課題のせいぜい15~20%前後であり、それ以外は業務プロセスやツール、評価制度を変えないと解決できないと一般的には言われている。
しかし、研修によって人々のマインドが醸成され、現場のパフォーマンスが向上したり業績が向上したりするようなことは十分に可能だと感じている。
研修はビジネスの原動力となっている人間の心を変革させる。従って、いきなり業績がどう変わったかという遅行指標を測るのではなく、それに先行する行動の量・質的変化をあらかじめ期待しておき、そのような行動変容が出てきたかを測定する先行指標を明確に定義すればいい。これを教育の分野でROE(Return on Expectation=期待効果)と表現することもある。人材開発部門が経営陣のパートナーとなるためには、一つ一つの研修コースの効果を、まず自社ビジネスへの視点から考えることが第1ステップとなる。
◇
【プロフィル】浦山昌志
うらやま・まさし 佐世保高専電気工学卒。1978年松下電器産業入社。90年CSK入社。93年米シスコシステムズの認定教育を日本で初めて開始。2003年IPイノベーションズを設立し、代表取締役。08年ASTD(米国人材開発機構)ジャパンの設立を主導し、現日本代表理事・事務局長。56歳。長崎県出身。