DeNA戦で安打を打つ巨人のセペダ。国際大会でも活躍した「キューバの英雄」だ=5日、新潟市中央区のハードオフエコスタジアム新潟【拡大】
ちなみに、キューバの野球選手は公務員扱いで月給は約30ドル(約3070円)程度。代表レギュラー・クラスでも300ドル(約3万700円)だという。巨人・セペダの年俸は1億5000万円(推定)といわれ、仮に40%を国に納めても、9000万円が手元に残る計算。一般国民の月収が20ドル(約2050円)といわれる中、十分なビッグ・マネーといえるが…。
米国への亡命は、たとえば前出のアブレイユは、今季の年俸870万ドル(約8億9000万円)のような超ビッグマネーを手にするチャンスはあるが、2度と故郷の土地は踏めない、残された家族も日陰で暮らす憂き目にあう…などリスクが伴う。日本移籍なら、その身分は保障され、さらには将来の指導者としての道も開かれている、というのである。
◆流出防ぎ外貨獲得
かつて、社会人野球・シダックス(現在は廃部)は、1995年初めてキューバ・キャンプを張り、交流を始めた。2002年には元阪神監督の野村克也氏を監督に迎え、その時在籍したパチェコは“ノムラの考え”を吸収して帰国後、キューバ代表監督になった。「日本の緻密野球はパワーだけに頼るキューバ野球を変えるだろう」と日本を高評価した。ちなみに巨人が2人目となるメンドーサ投手獲得の際には、コーチが1人付随していることが条件だ。キューバの狙いは、まさにソコ。ある日本野球機構関係者はいう。
「キューバにとって人材の流出を防ぎ、外貨獲得にもなる。われわれも、いい素材がちゃんとしたルートで手に入る。お互いにメリットがある。今後、もっと増えるんじゃないですか?」
両国にとって、いいことずくめに思えるが、外国人戦力に頼る日本球界フロント陣の安易さが、若く未知の魅力を秘めた日本人選手を埋もれさせている環境を作る。日本プロ野球選手会からは心配の声が聞こえる。