STAP細胞は新型万能細胞として1月に論文発表されたが、理研の調査委員会は画像の捏造(ねつぞう)や改竄(かいざん)の不正があったと認定。論文は7月に撤回され、細胞が存在する科学的な根拠は既に失われている。
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■存在しない可能性高く
理研の中間報告は、STAP細胞の基本的な特徴である万能性の遺伝子が確認できない厳しい結果となり、検証作業は最初の段階で暗礁に乗り上げた。結論は持ち越されたが、細胞は現時点では存在しない可能性が高まったといえる。
小保方晴子氏は細胞の作製に200回成功したと説明したが、それほど簡単に作れるものでないことは、はっきりした。「実験のこつ」を知っているという小保方氏が、自ら再現できるかが次の焦点になる。
STAP細胞は革新的な万能細胞として世界的に注目されたが、多くの不自然な点が浮上。国内外で作製に成功したとの報告はなく、正体は胚性幹細胞(ES細胞)など別の万能細胞ではないかとの疑いが持たれている。今回の中間報告で、その疑念は一段と強まるだろう。
細胞の作製実験を複数の共著者が発表前に繰り返し行っていれば、困難なことは分かったはずだ。研究チーム内で十分な議論や検証をせず、拙速に結論を導いたことを裏付けた形だ。
理研はこの半年間、不十分な調査や懲戒処分の先送り、細胞の解析結果の訂正などが相次ぎ、科学界や国民の不信を増幅させた。
迷走の背景には、ガバナンス(組織統治)の機能不全と組織防衛がうかがえる。
検証実験は今後も進展がなければ、来春の期限を待たずに打ち切るべきだ。調査と処分も速やかに進め、一刻も早く混乱に終止符を打たなくてはならない。(長内洋介)
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【用語解説】STAP細胞
理化学研究所の小保方晴子氏らが新型の万能細胞として1月に論文発表した細胞。マウスの体の細胞を弱酸性の溶液に浸したり、細いガラス管に通して刺激を与えたりすることで作製したとされた。さまざまな細胞に分化できる万能細胞の胚性幹細胞(ES細胞)や人工多能性幹細胞(iPS細胞)と比べ、より高い万能性を持ち、胎盤を含む全ての細胞に分化できるとされた。