もう一つは慰安婦問題だ。朝日は昭和57年9月に「若い朝鮮人女性を『狩り出した』」などとする自称・元山口県労務報国会下関支部動員部長、吉田清治氏の講演記事を掲載。その後、「吉田証言」を少なくとも16回掲載したほか、元慰安婦らの供述を掲載するなど「強制連行説」の立場で報じ続けてきた。
だが一転して今年8月5、6日には特集記事を掲載し、吉田証言について「虚偽だと判断し、記事を取り消します」と誤報を認めた。関係のない慰安婦と工場などに動員された女子挺身(ていしん)隊とを混同したことも「誤用」と認めた。ただ、謝罪しなかったことなどから新聞や雑誌などが朝日報道を検証、批判した。同月28日には2回目の特集記事を掲載。吉田証言と慰安婦募集の強制性を認めた平成5年の河野洋平官房長官談話は関係ないと主張した。
今月2日には、ジャーナリストの池上彰氏が、朝日報道を批判したコラムの掲載を拒否されたとして、同紙での連載中止を申し入れたことが判明。一転して4日付朝刊にコラムを掲載し、6日付朝刊で「間違った判断」とおわび記事を掲載。対応は後手に回った。
8月27日には、朝日報道を批判する週刊文春と週刊新潮の広告掲載を拒否。9月4日には両誌の広告の一部を伏せ字で掲載した。