「特許解析ダッシュボードは米国でも珍しい」と話す米VNXの中村達生社長=米カリフォルニア州メンローパークのVNX【拡大】
ただ、米国でも特許解析ダッシュボードは珍しい。問いかけ方式の操作で、対象の特許が属する領域、強みや弱みなどの解析も簡単。結果がマップやグラフ、表で報告されるため専門知識がなくても直感的に特許を理解できる。「経営者が使えば知財や法務の専門職員より早く知財戦略上の課題をとらえ、金融マンなら投融資の評価対象となる技術の経済価値をつかめるかもしれない」(VNXの中村達生社長)
画面デザインは計器が並ぶ航空機の操縦室をイメージし、XLUS TechRadarのマップを中央に配置した。各国の特許公報データベース(日米の特許庁、11月に欧州特許庁、世界知的所有権機関を追加。中国は無く、データを随時入力して利用)を搭載し、ユーザーは日英中の各国語による言語解析(2015年1月から独仏語も可能)や、英語による横断解析が可能だ。各国公報では出願人名を見られるのに加え、権利者名で競合企業間の勢力や企業の戦略、ニーズの高い特許技術のトレンドを解析でき、今後の展開を予見できる。
例えば米アップルは自社で開発したり、出願したりする特許より購入した特許の方が分野も広く数も多い。「現実の特許権の移動状況を把握した解析をしないと、リアルなビジネス現場で使える情報は得られない」と中村社長は指摘している。(知財情報&戦略システム 中岡浩)