【論風】地球環境戦略研究機関理事長・浜中裕徳 商機にらみ企業が積極行動 (2/3ページ)

2014.11.13 05:00

 このように各国政府のみならず、広範な企業や自治体、市民団体などが行動を表明し、非常に力強い盛り上がりが見られた。この点で同サミットは、15年にパリで開催する気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)での世界的合意に向けた政治的支持を結集し、機運を盛り上げることに成功したといえよう。今回のサミットについて国内で報道される機会があまりなかったが、国際社会の潮目は大きく変わりつつあると強く感じた。

 ◆ウィン・ウィンを模索

 今回のサミットのもう一つの特色は、この機会にいくつかの重要なリポートが発表され、それらが発信したメッセージがサミットのパネル討議などで繰り返し言及されるなど、今後の気候変動問題に関する世界的な議論をリードする気配が感じられたことである。中でも「The New Climate Economy」と題するリポートは「より良い成長、より良い気候」という問題の枠組みを提示し、持続的な経済成長と気候変動リスクの軽減を同時に実現するチャンスがあり、特に都市、土地利用、エネルギーの3つの経済システムにおいて、効率的な資源配分の実現、インフラ投資の改革、および技術・ビジネスモデル・社会慣行のイノベーションを進めることが重要だと指摘しており、注目されるメッセージと考えられる。

 低炭素化は各国の事情を考慮しつつ進めていく必要があり、わが国では少子高齢化、人口減少などの課題に取り組みつつ、それらとのウィン・ウィンの可能性を模索することが重要である。例えば、既築も含め住宅の省エネ性能と室内環境を改善することにより、住宅部門の省エネ推進と医療・介護費用の増大抑制を図ることができるし、再生可能エネルギーの拡大を、地域経済の好循環・活性化に資するように進める取り組みも重要である。こうした視点からさらに検討が深められ、取り組みが進むことを期待したい。

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