孵化直前の「スマ」の受精卵(和歌山県水産試験場提供)【拡大】
今年度は受精卵約2万粒を用意し、8月29日から円形水槽で飼育に取り組み、9月17日に引き上げたところ、2226匹が確認でき、4・6センチ前後まで成長していたという。
量産を妨げる要因となっていたのは、生まれたばかりのスマが水面に張り付いて空気に触れ続けて死ぬ「浮上死」と、飼育槽の底に沈降して死んでしまう「沈降死」、成長過程で多発する共食いだった。
対策として、水面に油膜を作って空気と触れにくくし、水流を作って底に沈み込まないように工夫。共食いについては、スマのエサになる魚を同じ水槽に放すことで回避できた。これらの対策で、25年度は7・5%だった生存率が今年度は11・1%まで向上したという。
同試験場の担当者は「卵から、いけすに出せるサイズまで育てられるようになったのは大きな前進。本格的な生産につなげられるよう、さらに技術を確立したい」と話し、春に孵化させて生産する方法などを探ることにしている。