8月に再稼働が見込まれる九州電力川内原発1号機(手前)=7日、鹿児島県薩摩川内市【拡大】
原子力規制委員会は24日、九州電力川(せん)内(だい)原発1号機(鹿児島県)について、再稼働前に必要な使用前検査を終えた。原子炉に燃料を装荷した状態での検査が終了したことから、27日から予定されている重大事故を想定した総合訓練などを経て、早ければ8月10日にも再稼働する見通しだ。
規制委や九電によると、23、24日に実施した検査では、原子炉格納容器下のプールに新たに設置した水位計の基本設計や性能を調べ、水を注入する構造に異常がないことを確認した。通常運転時と同じ出力で原発の総合的な性能を確認する最後の検査は、再稼働後の9月に実施する。
また、今月27~30日に予定している再稼働前最後の事故対応訓練では、東京電力福島第1原発事故と同様に、原発の全交流電源が喪失し、炉心の冷却が困難になるという「最も過酷な事態」を想定して非常時の対応を確認する。
訓練では、敷地内に新たに配備した大容量発電機の起動の手順や、可搬式のポンプなどを使った原子炉への注水の方法などを確認。27、28日には規制委の更(ふけ)田(た)豊志委員長代理が現場を訪れて、訓練の様子を視察する。