「未病サミット神奈川2015in箱根」で講演する黒岩祐治・神奈川県知事=22日、神奈川県箱根町の湯本富士屋ホテル【拡大】
病気のリスクを事前に把握し、その発症を未然に防ぐ「未病」への取り組みについて、各界の専門家が話し合う「未病サミット神奈川2015in箱根」が22日から2日間の日程で、神奈川県箱根町で始まり、企業経営者や学識経験者ら約160人が参加した。
サミットの名誉実行委員長を務める神奈川県の黒岩祐治知事は、急速な高齢化社会の進展により「このままでは医療のシステムが崩壊する」と指摘。「最先端技術とライフスタイルの見直しで、健康寿命を延ばすとともに、新たな産業の創出を図る」と述べ、ライフサイエンスやロボットなど産業振興をはじめとする県の政策を紹介した。そのうえで「未病で高齢化社会を克服し、多くの人が元気で長く過ごせる社会を作りたい」と、意欲を示した。
続く基調講演で、松原謙一・大阪大学名誉教授は「1人当たりの医療費が65歳頃から急に増える。その時期を少しでも遅らせるような取り組みが必要」と、未病に関する政策の重要性を指摘した。サミットでは、食生活の在り方、ライフサイエンス分野に関する技術動向、関連産業の振興や市場創出の課題などに関する討議が行われる。
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【用語解説】未病
「病気ではないが、健康でもない状態」とされる古くからの東洋医学の概念。神奈川県では、この概念を発展させ「健康と病気との間にあり、常に変化している状態を表す概念」と定義している。