「再婚禁止期間」は憲法違反 最高裁大法廷

2015.12.16 15:21

再婚禁止期間訴訟の最高裁判決を前に最高裁に入る原告代理人の作花知志弁護士=16日午後、東京都千代田区(大西史朗撮影)

再婚禁止期間訴訟の最高裁判決を前に最高裁に入る原告代理人の作花知志弁護士=16日午後、東京都千代田区(大西史朗撮影)【拡大】

 「女性は離婚後6カ月間、再婚できない」とする民法規定についての違憲性が争われた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(寺田逸郎裁判長)は16日、規定は違憲とする初判断を示した。最高裁が法律を違憲と判断したのは戦後10件目。その上で、原告の請求は棄却した。

 大法廷は100日間を超える部分について、違憲だと判断した。

 岡山県内に住む30代女性が平成23年、「再婚禁止期間があるため再婚が遅れ精神的苦痛を受けた」として国に165万円を求めて提訴。1、2審は敗訴した。女性は前夫の家庭内暴力(DV)が原因で20年に離婚。当時、現夫との間の子供を妊娠していたが、離婚後6カ月間、再婚を待たざるを得なかった。

 民法には別に、「離婚後300日以内に生まれた子供の父は前夫」「婚姻後200日後に生まれた子供の父は現夫」とする嫡出推定規定がある。離婚後すぐに再婚を認めると、推定期間が重なるため、女性のみに再婚禁止が課せられた経緯がある。ただ、再婚禁止の原告側は離婚から100日を経ての再婚ならこの「重複」が避けられるため、「推定期間との均衡を考えるなら100日で十分」と訴えてきた。

 平成8年の法制審議会も「100日短縮」を答申したが、保守系国会議員の反対などで実現しなかった。

 再婚禁止期間をめぐってはDNA型鑑定など科学技術の進歩により、完全撤廃を求める声がある一方、法整備が行き届いていないこともあり、「鑑定の利用を最小限に抑制するべきで、撤廃は難しい」との意見もある。

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