【生かせ!知財ビジネス】「特許」この1年 技術革新へ無償開放も相次ぐ (2/2ページ)

2015.12.19 05:00

トヨタ自動車のミライ。燃料電池関連特許の開放は知財業界の目を覚まさせた=6月13日、東京・丸の内

トヨタ自動車のミライ。燃料電池関連特許の開放は知財業界の目を覚まさせた=6月13日、東京・丸の内【拡大】

 知財を所管する特許庁は多くの施策を実施した。2月に中小企業向けの「営業秘密110番」、3月に新特許情報検索プラットホーム「J-PlatPat」を開設。4月に音や色などの新商標の出願受け付け、5月に知財金融促進事業、8月には外国特許情報の照会サービス「FOPISER」を相次いで開始。7月には職務発明特許の企業帰属を定める「改正特許法」と営業秘密侵害への抑止力向上を図る「改正不正競争防止法」を成立させた。農水省も6月に「地理的表示法」を施行し、原産地名を国内外で知財として保護する仕組みを強化している。

 国際的には10月、もめにもめた環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉がまとまり、医薬品の知財保護強化、著作権の保護期間延長などが合意された。隣国に目を向けると、中国は出願だけでなく係争も増加。11月に設立1周年を迎えた北京知的財産権裁判所は、この1年で約8000件もの訴訟を受理している。

 巨大訴訟では韓国企業が目立つ。新日鉄住金は9月、技術不正取得問題に関して韓国ポスコから300億円の和解金支払いを受け、米アップルも12月、米国での知財侵害訴訟で韓国サムスン電子から5億4800万ドル(約660億円)の賠償金を得ることで合意した。

 自公政権になり、次の技術革新や地方創生に向けた知財への意識や活動が活性化してきた。新年は一層の飛躍を望みたい。(知財情報&戦略システム 中岡浩)

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