米国では近年、差別やヘイトの名の下に言葉狩りが行われ、自由な言論が許されなくなってしまった。その結果、問題そのものがアンタッチャブルな存在に変化し、議論することすら許されなくなり始めている。これに不満を持つ有権者は多く、特に優位とされ、言葉狩りのターゲットにされてきた白人層の不満は非常に大きなものがある。だからこそ、貧しい白人層である“プアホワイト”の彼への支持率は非常に高い。彼はこの「聖域」にメスを入れ、公開の場で議論の壇上に上げた。だからこそ、メディアが批判すればするほど彼の支持率が上がるというメディア側から見れば異常な現象が起きているといえる。
これは日本でも起きている現象だ。歴史や慰安婦問題などがその典型だが、一部のメディアは人権などの名の下に「批判を許さない聖域」を作り上げてきた。しかし、インターネットなどの発達により、事実を共有する人たちと政治家に直接声が届く状況が生まれ、作り上げてきた嘘の歴史と聖域が壊れてしまった。本来、メディアの最も大切な役割は、言葉狩りなど言論弾圧を許さず、聖域なき言論空間を守ることにある。米国大領領予備選挙の結果は、ある意味、今のメディアへの批判票ともいえるのではないだろうか。
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【プロフィル】渡辺哲也
わたなべ・てつや 経済評論家 日大法卒業。貿易会社に勤務した後、独立。複数の企業運営などに携わる。著書は「突き破る日本経済」など多数。45歳。愛知県出身。