ゴールデンウイークを海外で過ごす人らで混雑する成田空港の出発ロビー=29日【拡大】
ゴールデンウイークが29日始まり、東京駅や成田空港は帰省したり海外で過ごしたりする家族連れらで朝から混雑した。平日を2日休めば最大10連休になる曜日配列の良さで、成田からはこの日だけで約5万2000人が出国すると見込まれている。地震に見舞われた熊本県には、損壊した家の片付けなどを手伝おうと訪れる人の姿が目立った。
神奈川県葉山町の臨床心理士、芹田恭子さん(36)は東京駅から新幹線で広島市の実家に帰省。小学1年の長女、なずなさん(6)は「おじいちゃんとおばあちゃんと遊ぶのが楽しみ」とうれしそうに話した。
午前中に東京駅を出発する東海道新幹線のぞみは、多くの列車で自由席の乗車率が100%超に。北陸新幹線のはくたかも東京発の一部で150%に達した。成田空港の出発ロビーは大きな荷物を持った人でにぎわった。家族5人でパラオを旅行する静岡県富士市の小学5年、磯江彗斗君(10)は「きれいな海でダイビングをするのが楽しみ。虹のような色をした魚が見たい」と元気いっぱい。母親の美加さん(45)は「欧州はテロが心配で旅行先に選ばなかった」と話した。
地震で壁にひびが入るなど被害があった熊本空港。今も営業できない土産物店が目立つ。
東京都世田谷区の女性会社員(27)は、熊本県益城町の実家が損壊。片付けを手伝うため帰省した。「連休中に熊本市内で予定していた友達の結婚式も延期になった」と表情を曇らせた。
大阪府豊中市の社会福祉士、飯野哲生さん(44)は、ボランティアのため熊本入り。「避難所を巡って高齢者や障害がある人を少しでも支援できれば」と話した。
高速道路の下りも朝から混雑した。日本道路交通情報センターによると、東名高速道路の伊勢原バス停(神奈川県)付近で30キロ超、関越自動車道高坂サービスエリア(埼玉県)付近で20キロを超える渋滞となった。