「日本経済発展のため知財やさまざまな制度をどう使うかを考えることができれば」と語る後藤晃・東大名誉教授【拡大】
「『チーフエコノミスト』という特許を経済分析から考えることを専門にするポストがある。多くは大学の研究者で、米国特許商標庁や欧州特許庁で活躍した方はよく知っている。国際的なチーフエコノミストの会合があり、各国特許庁の活動を紹介している。そのような場へ参加し、日本の情報を発信することも仕事の一つになろう」
--特に特許庁へ提案したいことは
「個人的には特許法と競争法(日本では独禁法)との関係に関心がある。米国では特許商標庁と連邦取引委員会が共同で特許と競争法である反トラスト法の関係について報告書を出している。最近、標準必須特許をはじめ(特許法と競争法にクロスする)問題が増えてきている。日本でも2つの法律に関わる行政や研究者たちが一緒に研究することがあってもいいかと思っている」
--経済アドバイザーは長岡貞男・東京経済大学教授に続き2人目。今後一緒に活動するそうだが
「長岡先生は特許や技術革新の経済分析の第一人者。非常に心強く、頼りになる。優秀なだけではなく人柄も優れている。ご一緒できるのが楽しみだ」(知財情報&戦略システム 中岡浩)