海洋ごみ問題について開かれたG7環境相会合。左端は丸川珠代環境相=16日午前、富山市【拡大】
富山市で開かれた先進7カ国(G7)環境相会合は16日、地球温暖化による気温上昇を2度未満に抑えるための「長期戦略」の策定時期を前倒しすることを盛り込んだ共同声明を採択し、閉幕した。長期戦略は、パリ協定に基づき各国に策定が求められている。日本は2050年までに80%削減するという目標を掲げるが、具体策を示した長期戦略は持っておらず、対応が必要となる。
パリ協定は、気温上昇を2度未満に抑えるとの長期目標を掲げたが、今の各国の温室ガス削減目標を積み上げても達成することはできず、削減の道筋を示すことが課題となっている。
G7は共同声明で「長期目標達成のために長期戦略は不可欠」と強調。パリ協定では、事務局への提出期限を20年と定めているが、G7は「できるだけ早く、定められた期限内に策定、提出すると約束する」とした。
排出量取引制度や炭素税など、温室ガスの排出に価格を付ける方法については、「低炭素投資の強化に効果的な手段だ」と強調。東京都内で第1回戦略対話を開くことになった。強力な温室効果がある代替フロンの段階的な削減に向け、16年にモントリオール議定書を改正することも支持した。
また資源の効率的な利用を目的とした「富山物質循環フレームワーク(枠組み)」に合意。食品廃棄物の削減や災害廃棄物の再利用に向け、G7各国が取り組む。
海を漂う大量の微細プラスチックごみに関しては「海の生態系にとって脅威だ」との認識を確認し、国際機関と連携するなど優先して取り組む5項目の対策を決めた。