記者会見で謝罪する東亜建設工業の松尾正臣社長(右から2人目)ら=6日午後、横浜市【拡大】
中堅ゼネコン「東亜建設工業」(東京)が羽田空港C滑走路の地盤改良工事のデータを改(かい)竄(ざん)した問題で、同社が改竄データを国土交通省に示して自社の独自工法を売り込んでいたことが26日、分かった。同社は同工事受注後に工法変更を申し入れ、国交省が認めていた。同社は独自工法の有効性を示すために実地実験も行っており、国交省はこれについても改竄がなかったか報告するよう異例の指示をした。
問題の工事は平成27年5月から28年3月に実施。滑走路の脇から穴を掘って薬液の注入を行う「バルーングラウト工法」と呼ばれる独自工法が採用された。
国交省によると、受注した当初は通常の工法が用いられることになっていたが、同社がバルーングラウト工法への変更を申し出た。国交省は、後にデータ改竄が発覚する羽田空港H誘導路(25年度)の実績と、羽田空港の滑走路跡地で行った実地実験の結果を検証。国交省関東地方整備局の職員が現場に立ち会うなどし、「高い精度での削孔が確認できたため(バルーングラウト工法が)妥当と判断した」という。
同社はこれまでに、国交省から受注した3空港(羽田、福岡、松山)の5つの地盤改良工事のすべてで施工不良とデータ改竄をしていたことを明らかにしている。このため、国交省では羽田空港で行った実地実験の結果についても疑問視しており、すでに同社に対し、実験の詳細を報告するよう指示した。
国交省によると、受注工法の変更自体が珍しく、実験結果の再検証を指示するのも異例という。
産経新聞の取材に対し、同社は「国交省に報告するまでコメントできない」としている。