すっかり定着した感のある「終活」という言葉。「人生のフィナーレ」を迎えるにあたり備えあれば憂いなしと、誰もが思うところだろう。だが、こんなに「落とし穴」が潜んでいるのだ!
新たな選択肢として人気集めるサービス付き施設
介護施設で事件や事故が多発している。何か重大な欠陥があるのか? 介護・医療ジャーナリストの長岡美代氏は語る。
「介護ビジネスは、公的保険だけでも10兆円の巨大市場です。残念ながら、そこには高齢者を『儲けの道具』としか考えない不届きな事業者も目立つようになっています」
ブラック介護事業者のやり口のひとつは、「不必要な支援を押し付ける」こと。望まないサービスを半強制的に提供するもので、例えば「囲い込み」。その主な舞台となるのが、いわゆる「サ高住」だ。
これはサービス付き高齢者向け住宅(別名「サ付き住宅」)の略称で、2011年に制度化。多くは家賃数カ月分の敷金で入居できることもあり、民間介護施設の新たな選択肢として注目されている。国が一戸あたり最高100万円の建設費補助を出すため、次々と誕生しているのだ(図を参照)。