韓国機密漏洩事件 大統領首席秘書官ら家宅捜索 2日連続

 韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が友人の女性実業家、崔順実(チェ・スンシル)氏に機密資料を漏洩(ろうえい)していた事件で、検察の特別捜査本部は29日、大統領府や安鍾範(アン・ジョンボム)政策調整首席秘書官らの自宅を家宅捜索した。30日も引き続き大統領府に捜査官を派遣した。

 聯合ニュースによれば、検察は29日、大統領府で安氏やチョン・ホソン秘書官らの事務室を捜索しようとしたが、「国家機密」を理由に入室を拒否された。別室で待たされた末に検察は、大統領府が任意に提出した資料を受け取った。しかし、資料のほとんどは真相究明にはほど遠い内容のものだったという。

 安氏は、崔氏が私物化した疑いのある財団の設立に際して資金集めなどで関与したとされ、チョン氏は機密資料の内容を崔氏に報告していたとされる。また、チョ・イングン元大統領演説記録秘書官は朴氏の大統領選から最近までの約4年間にわたり、演説文の素案を作った人物だ。チョ氏は「崔氏とは面識がない」と話している。

 朴大統領は大統領府の首席秘書官10人全員に一括して辞表を提出するよう指示。今回の事件は世論の強い反発を招いており、それを考慮した措置とみられる。(ソウル 名村隆寛)