
クラゲールの外観(クラレ提供)【拡大】
--排水処理上の課題は
「増殖して不要になった微生物は余剰汚泥となり、産業廃棄物として処理しなければならない。排水処理設備維持には電気代や薬品代に汚泥処理費用がかかり、うち汚泥処理費用が半分以上を占める。この点、クラゲールを用いた排水処理システムは中空糸膜で微生物を濾過する過程の繰り返しで微生物の増殖と死滅がほぼ同じとなり、余剰汚泥の発生率をほぼゼロにできる。この結果、産廃処理費用は大幅に抑えられる。中空糸膜ユニットとの組み合わせで水の再利用も可能になる。この余剰汚泥減容システム『ゼクルス』は国内外で売り込んでおり、2009年に地球環境大賞(主催=フジサンケイグループ)の文部科学大臣賞を受賞するなど、高い評価を受けている」
◆途上国ターゲット
--採用実績は
「1997年に食品会社向けに出荷したのがスタートで、2008年2月には水処理のトータルサービス会社『クラレアクア』を設立し、システムとして提案する体制を整えた。09年4月にはクラレとしてアクア事業推進本部を新設し、戦略的にアクアビジネスの拡充に取り組んでいる。これまで国内外で300件以上の採用実績があり、業種別には食品向けが半分を占める。このほか化学、メッキ、精密部品、液晶・半導体などの分野で実績を重ねてきた」