
新元素名が正式に「ニホニウム」と決まったことを受け、福岡市内で記者会見する森田浩介・九州大教授(左)ら=1日【拡大】
理化学研究所のチームが合成した新元素名が正式に「ニホニウム」と決まったことを受け、チームを率いた森田浩介・九州大教授らは1日、福岡市で記者会見した。森田氏は「人類の知的財産として蓄積されることを、大変うれしく思う」と語った。元素を日本の科学者が命名したのは初めてで、アジアの中でも初の快挙。
「周期表は化学の大きなレガシー(遺産)。その中に日本の冠がついた元素があることは、感慨深い」と語った森田氏。いずれ新元素が教科書などにも記されることから、子どもたちに「ニホニウムを誇らしく思い、少しでも科学に興味を持ってほしい」と期待した。同席した理研の松本紘理事長は「研究所の特色を生かし、粘り強く成果を出された」と笑顔でたたえた。
ニホニウムは、原子番号30の亜鉛を同83のビスマスにぶつけ、核融合させてつくられた。森田氏らは2004~12年、埼玉県和光市にある理研の加速器で、計3回の合成に成功した。
国際純正・応用化学連合(IUPAC)は15年末、原子番号113の新しい元素として認定。理研は11月30日、提案通りに元素名が決まったと発表した。