人気深夜番組「勇者ヨシヒコ」にみるパロディーの極意 嫌われない「毒」の作り方とは (2/3ページ)

魔王を倒すため旅に出た、勇者ヨシヒコ(山田孝之、左から2人目)と仲間たち(C)「勇者ヨシヒコと導かれし七人」製作委員会
魔王を倒すため旅に出た、勇者ヨシヒコ(山田孝之、左から2人目)と仲間たち(C)「勇者ヨシヒコと導かれし七人」製作委員会【拡大】

低予算で高視聴率

 番組はゲーム「ドラゴンクエスト」を開発したスクエア・エニックス社の協力でテレビ東京が制作。深夜ドラマを数多く手がけた、放送作家の福田雄一氏が監督、脚本を務めている。

 主役級には山田孝之をはじめ、宅麻伸、木南晴夏、ムロツヨシといった実力派を配置しているが、「低予算」のため、ハリボテのモンスターが登場し、大きなモンスターとの戦いは動きの少ないアニメーションで表現するなど全体にチープな作りなのが特徴だ。

 ビデオリサーチによると、第6話までの平均視聴率(関東地区、毎週金曜深夜放送)は3・2~4%で推移。録画を含めた総合視聴率は7・4%(10月28日放送分)を記録することもあり「深夜番組としてはとても高く、十分に人気といえる」(ビデオリサーチ)水準に達している。

おとがめなし?

 「果敢なパロディー」は枚挙にいとまがない。

 第3話では、1人で「異世界」を旅したヨシヒコが、ジャンプをしながら仲間のもとへ帰ってくる。全身がモザイク処理されているためはっきり見えないが、仲間のせりふで、ひげをたくわえ赤い帽子をかぶっていることが明らかにされる。任天堂の人気ゲーム「スーパーマリオブラザーズ」を彷彿とさせる姿だ。

嫌われない配慮