
東京大学で教鞭をとる渡部俊也教授。新たなエキスパティーズを持つ人材の養成が始まっている(東京・本郷)【拡大】
--なかなか、そういう人材はいないのでは
「そうだ。このため東京大学では2015年度から戦略タスクフォースリーダー養成プログラムを開講して企業から受講生を募っている。これは知財部門に特化したものではなく、経営企画や事業部門の人材が多く参加している。17年度はIoT、ビッグデータ、AIの事業戦略モデル構築をテーマにすることを考えている」
--他の部門の人材にも知財的な感覚、知財法務的な知識を注入することになる
「これまで日本は製造業が強く、そのメリットであるモノづくりのデータはうまく活用しなければいけない。ただしノウハウなどを社内で活用するだけにとどまらず、中途半端な形で誰かに渡すようなことになると、すべてを持っていかれる。第4次産業革命とはまさに革命、対応を間違った企業はなくなってしまうということだ」(知財情報&戦略システム 中岡浩)