商品化に協力している国際特許事務所の幹部は「訴えられるのは企業が一流になってきた証拠。これを乗り越えなければ先はない。そういう意味では、知財賠償責任保険は日本から次世代の知財企業を排出する孵卵(ふらん)器のような役割も持っていると言えよう」と説明する。
一方、大手損保出身の弁理士は「引き合いは多いはず。中堅企業は多額の費用をかけて海外出願をしている。費用対効果から営業秘密化による秘匿と知財賠償責任保険を組み合わせた戦略をとるようになる可能性もある」と分析している。(知財情報&戦略システム 中岡浩)