【社説で経済を読む】豊洲「百条委」 責任追及だけでいいのか (2/3ページ)

2017.3.6 06:22

東京都江東区の豊洲市場
東京都江東区の豊洲市場【拡大】

 議会の責任逃れを問題視するのは毎日も同じだ。2月23日付社説で、「都議会は百条委員会の目的が石原氏への追及だけに終始することがないよう、留意する必要がある」と述べ、石原氏一人に責任を押し付けて幕引きを図ろうとする動きを強く牽制(けんせい)した。

 「築地市場の移転は30年前から曲折を経ながら進められてきた。都が豊洲への移転を決めて以降でも16年が過ぎた」と冷静に事実関係を振り返ったのは日経だ。

 2月23日付社説で、「豊洲の検証に何が必要か」の見出しを掲げ、百条委に求められる論点を整理。「都は当初、現在地での再整備に着手したが、営業活動を続けながらの工事は難航し、他地区への移転へ方針を転換した経緯がある。市場関係者の間でも当時、築地に近く、広い用地を確保できる豊洲への移転を求める声があった」と指摘した。

 さらに、「東京ガスは2007年までに約100億円をかけて都の条例に基づいて土壌改良をしている。それでもその後の調査で有害物質が検出され、都が自ら大規模な対策に乗り出して、現在に至っている」と押さえておくべき経緯にもしっかりと触れている。

 「30年という時間軸に沿って、丁寧に事実を確認しながら審議しないと、単なる政治ショーに終わるだろう。過去の検証は必要とはいえ、本当に重要なのは3月に明らかになる豊洲市場の地下水の再調査の結果と、それを踏まえた小池知事の判断である」という指摘は改めて肝に銘じておきたい。

 政治資金の私的流用で辞任した舛添要一前知事の後を受けて小池都政が発足して半年が過ぎた。2月の千代田区長選をトリプルスコアで制するなど向かうところ敵なしの小池人気だが、この間、都民が豊洲移転問題で見せつけられたのは新市場の不安材料ばかりだ。

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